GISEN焙煎機を買いたい理由

今回、どうしてギーセンというオランダのメーカーの焙煎機を購入することにしたのか。自分の中でもまとめるために書いてみたいと思います。

今使用しているナナハンという焙煎機は大体最大で600gくらい(750g投入)が一度に焙煎できます。最大量の決め方は人それぞれだったりしますが、自分はそうしています。この機体も数年使用していますが、今年のはじめくらいに温度計をひとつ追加して、artisanという焙煎管理ソフトを使用して結構まともなログを取りながら焙煎ができるようになり、味作りも視覚的に色々試せるようにはなっています。ただ、最近はコロナ自粛で初めた通販や卸売で焙煎量が以前より増え、もう少し大きいのが欲しいということで買い換えることにしました。そこで選んだのがGISENのW1という2kg焙煎機です。

「焙煎機なんてどれも大差ないんじゃないの?」

そういう疑問はあるかと思います。構造は単純だし、そこまで個体差が出るものなのかと思うのは自然な流れですが、同じような構造のオーディオ機器でも音質の差がでたりするので、似たようなパーツがどう違ってどう組まれているのかというのは決定的な違いを生むのではないでしょうか。
実際、まだ自分ではこの焙煎機を使用して焙煎をしたことはないし、現在店で使用している焙煎機以外での焙煎もほぼ経験はありません。
(開店時からナナハンに買い換える前に使っていた小さいものや、店を始める前にアルバイトしていた時に電気窯や手網、フライパンなどで実験的な焙煎をしたことがあるくらいです。)
最近は店頭に焙煎機を置くコーヒー屋も多く、そのほとんどが足立区にあるフジローヤル(本社は大阪)の焙煎機を使用しているように思います。
中古が多く出回っているというのも理由のひとつにはなると思いますが、歴史ある国内メーカーの根強い人気と信頼がそこにあるのでしょう。
自分も当初はフジの3kgとかないかな、と探したりもしていたのですが最終的にギーセンの2kgということにしました。
2kg機だと今と対して変わらないかもしれないですが、自分が考える理想のコーヒー屋生活を送る上ではそのくらいで十分だと思うからです。(めちゃくちゃ高額なので悩んで6kg機を買うということは恐らくないと思います。。)
正直フジの3kgの方が安いですし、中古も出やすいから探しながら待つという選択肢も魅力的ではあるのですが、ギーセン、かっこいいんですよね。
例えば、ギターとかで考えると高校の頃とかみんなGibsonとかFenderがいいみたいな価値観になるわけですけど、正直値段が高い以外に何かいいことはあるのか?みんなエフェクター通すんじゃないのか?ナカコーだって最初は少年誌の広告欄にあるようなギターとアンプセットみたいなギター使ってたし、ダンエレの方がギブソンよりかっこいいし別に曲が弾ければそれでいいと思ってました。
この例だと今の状況と反対なので例としては悪く見える気がするんですけど、補足するとまわりの多数がいいとしているものをそれよりいいと思う感覚をはねのけてまで使いたくはないというのがあります。
単純にギーセンの機体がなんかかっこいいみたいな感覚が大事だと思いました。
これだとギーセンが形だけのように見えてしまいますが、Probatというスペシャルティコーヒー業界を牽引してきたような老舗メーカーがあり、その小型焙煎機の製造やメンテナンスを行っていたような会社が自社ブランドを立ち上げたというものです。
なので日本でいうフジローヤルくらいの信頼はあるのではないでしょうか。コロナ前にSHI-TENにはよく海外のお客さんが来ていて、その中にいたロースターの方数名はギーセンはいいしよく使われていると言っていたし、実際オランダとかノルウェーのコーヒーが美味しいと思っている自分からしたらそのあたりのメーカーの機種を使うのが理想的だろうとも思います。
ログも今より正確に取れるし、何より今ある冷却に関しての不満なんかも解消されます。考えながら書くと色々と今使っている機種との違いもあるのが明確になってきます。

そもそも自分が浅煎りのコーヒーが美味しいと思わされたのは、中野ブロードウェイ内にあるBar ZingaroがノルウェーのFugulenの豆を使っていて、それをエアロプレスで淹れてもらったときでした。
初めて味わった感動は二度味わえないということは承知していますが、そういった感動というかパラダイムシフトみたいなものをふと立ち寄った人たちに提供できたらいいなと思っています。

日本、特に都内ではギーセンを使用しているロースターは少なく、(それだと多分プロバットの方が多い)実際に使用しているお店でコーヒーを飲むことは少し難しいのですが、お客さんに教えて貰って祖師谷にあるPASSAGE COFFEEで頂いたコーヒーがどれも美味しく、自分もこうゆうコーヒー屋をやりたいと思いました。
ただ、自分はコーヒーだけやってるコーヒー屋をやりたいわけではないんですけど、それでも自分が生業とするのはコーヒーだなということで意を固めました。

フジを使っていて美味しいコーヒー屋があることもわかっていますが、ブリュッケという音の重さにもずっしりとしたギーセンが似合うと思うので、人様から支援を募るのもあまり性には合わないと思いつつもこれも経験のひとつと思いやらせていただきます。
達成は難しい額だとは思うので、借り入れも視野にいれていますが、借り入れもこれまでしたことがないのでこちらも経験できたらいいのかなと思います。

今週末に実際に試し焙煎をしに行きます。
火力や排気の感じがどの程度つかめるかわかりませんが、できれば10バッチくらい焙煎してみたいと思います。
W1の機種がマニュアルとオートがあり、触った結果オートにしたくなるとかもあるかもしれませんが、100万くらい違うので恐らくマニュアルになるかと思います。
あとひと月程度ですが、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。